ワカヤマオーキッドさんにて 9月20日(土曜日)に ベネズエラの 「カナイマオーキッド」の マイケル シン社長を お迎えして 「ベネズエラの夕べ」が 行われました。 おいしくたのしいお食事の後 大変貴重な画像を拝見しながら ベネズエラに自生する 7種類のカトレアへの マイケルさんの解説を 和中さんが翻訳されながら とても興味深いお話を 伺うことができました。 |
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Cattleya gaskelliana | |
ガスケリアナ ベネズエラの北東の山岳地域の ごく限られた地域にのみ自生しています。 (ピンクの部分です。) 樹上の日当たりのよいところに自生しています。 花の特徴としては リップの赤い部分はスポット状ではなく ベタ赤になっています。 一抱えにもなるような大きな株を作り 時としてあまりにも大きくなりすぎ、 樹上から落下してしまう コロニーもあるそうです。 |
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Cattleya jenmanii | |
ジェンマニー ベネズエラのテーブルマウンテンの 標高1200メートルの地域に (ピンクの部分) 自生しているラビアタタイプのカトレアです。 ダブルシース(二重シース)などの特徴からも ブラジル国境に隣接した自生地からも ラビアタのごく近縁にあたると 考えられています。 日本での開花時期は ラビアタに比べるとやや遅く 時間的にズレがありますが ベネズエラでは 同時期に開花するそうです。 |
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Cattleya lawrenceana | |
ローレンセアナ 独特のラッパ状の花を7から8輪つけます。 株の形状はマキシマのそれとよく似ています。 テーブルマウンテンの中腹に自生しており あまり大きな株は見られないそうです。 ベネズエラにおける ローレンセアナの評価は あまり高くないそうです。 それはローレンセアナの栽培が難しいことが 一因として挙げられるのではと。 辻勲さんが東京ドームでシルバーメダルを 受賞したvar. coerulea 'Aulisi'について ベネズエラにおいても あれだけ見事に開花させている栽培家はいないと 賞賛されていました。 辻さんと言えば神戸らん展で lawrenceana var. concolor 'Diana'で シルバーメダルを受賞されていますが ベネズエラにおいて 'Diana'をセルフしたもののなかから アルバ個体が出ており アルバは山採りでは 見つかっていないと言うことです。 |
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Cattleya lueddemanniana | |
ルデマニアナ まず名前についてですが ベネズエラではスペシオサと呼び ルデマニアナと言っても なんのことか現地の人には分からないそうです。 なぜこのようになったのかは マイケルさんにも分からないとのことです。 自生地は高温で乾燥しており 栽培においても要点となります。 高い樹上に自生しており 直射に近い光量を受けながら 生育しています。 比較的細長いバルブに やや小さめの葉をつけることからも いかに乾燥した地域で 自生しているかがわかります。 ベネズエラにおいては 2つの自生地が確認されており カリブ海に面したコースタル地域と(右側の○) アンデス山脈側のララ地域に(左側の○) 自生しています。 コースタル地域の個体は 大輪で明るい色彩でリップが丸いといった特徴を ララ地域の個体は やや輪が小さいものの濃色の個体があり 両者をシブリングすることによって 濃色でリップが丸く大輪の個体が 新しく作出されているそうです。 ルデマニアナの判別方法としては 1.リップに黄色の目が二つあること 2.花粉塊がめしべの上に突起のようについている などがあることを述べられました。 |
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Cattleya mossiae | |
モッシェ ベネズエラの国花です。 とてもポピュラーな存在で 皆に親しまれているそうです。 とても抱えきれないほどの大きさになり 数え切れないほどの花をつけた株を アレンジとして使用されたり フェンスにモッシェをつけて楽しむなど とても身近な存在になっているそうです。 特徴として 株全体が一斉に開花するため この特徴により自然下での交配が助長され、 数多くのバラエティー(変種)が 確認されています。 いままではモッシェといえば 「ペタルが下がっている」 という印象がありましたが シブリングによって ペタルにハリのある個体が作出され イメージが変わりつつあります。 マイケルさんは ペタルにも赤がさす個体を作出し さらに良形の個体を目指して 交配を進めているとのことです。 |
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Cattleya percivaliana | |
パーシバリアナ リゾーム(匍匐茎)が短く、 株が小型であるなど 明確な特徴を持っているため 判別が比較的容易。 花にも大きな特徴があり リップに黄色い脈が入り オーレアのように見事な脈が入った 個体もあります。 また多くの個体が樹上ではなく 岩の上を好んで自生しています。 岩肌や岩の割れ目の腐葉土に 力強く根を伸ばして花をつけています。 もちろん樹上に自生している 個体もありますがその割合は かなり少ないそうです。 なぜ岩を好んで生育場所に選ぶのかは はっきりしていないそうです。 ペタルが丸く観賞価値の高い個体が 次々と作出され なかには17センチにもなる巨大輪の個体が セレクトされつつあります。 マイケルさんはルデマニアナの次に シブリングの情熱を傾けているとのことでした。 |
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Cattleya violacea | |
ビオラセア ベネズエラをはじめ、 ブラジル、ペルー、コロンビア、ガイアナの 5カ国にわたって広く分布しています。 バルブが細長く背の高い個体群と バルブが短く大輪の個体群があり ベネズエラには後者が多く見られ、 テーブルマウンテンの麓に自生しています。 自生地は「川+湿地+灌木」という 3つの要素が満たされた条件下に自生しています。 猛毒の蛇が横たわる傍らに 自生していたりしています。 大株になった個体は ほとんど見られないそうです。 大抵が葉をつけているのは3,4バルブしかなく それもほとんどの葉が傷を負っていて バックバルブは落葉し古いものは枯れており それだけ過酷な環境下に自生しており きわめて早いスピードで 世代交代が行われているそうです。 セミアルバやコンカラーやセルレアなど ごく少数が山採りされたそうですが 収集家の死とともに いくつかが消失してしまったそうです。 |
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和中さん、マイケル・シンさん ワカヤマオーキッドのみなさん 和歌山のみなさん 楽しい時間をありがとうございました。 |